秋田県(夏秋きゅうり)

生産ステージ

播種期 4月下旬〜5月中旬

定植期 5月下旬〜6月上旬

収穫期 6月下旬〜10月下旬

出荷最盛期 7月中旬〜9月上旬

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

第4回目(調査日:9月8日) New

調査時点の生育ステージ 収穫期 調査産地 鹿角(JAかづの管内)
作付面積[前年比] 前年並み 作況[平年比] 平年並み
生育進度[平年比] 平年並み 出荷進度[平年比] 平年並み
天候状況

7月下旬は長梅雨により低温、過湿、寡日照となった。

梅雨明け後の8月は天候の回復により気温が上昇し、中旬以降は高温乾燥傾向となった。

9月に入ると、4日にまとまった降雨があったものの、日照時間が多く、最高気温も30℃前後で推移している。

生育状況

8月に入り、6月下旬から7月の長梅雨による低温、過湿及び寡日照で生育停滞や根腐れを起こしていた樹は、8月には夜温の上昇とともに樹勢が回復してきた。

樹勢回復後は、根張りが改善しない中でも側枝や花芽の発生が多くなり、収穫量が安定して出荷量が増加した。

平年では7月と8月にそれぞれ1回ずつ出荷最盛期となるが、今年産は7月最盛期がなく、8月も平年を上回る出荷量(日量20~30トン)の日が20日間程度続いたものの、最盛期とはいえない状況であった。

出荷最盛期と呼べる程の出荷量増加にはならなかったものの、8月後半は同前半から中旬にかけての成り疲れから樹勢が衰え始め、一部の圃場ではべと病、炭疽病が散見されたため、予防治療剤散布による病害密度抑制を図った。

病害虫発生状況

8月は病害虫の発生が少なかったものの、後半から樹勢低下と肥料切れによりべと病が全体の3割程度発生したため、予防治療剤散布と樹勢回復のための葉面散布(即効性のある追肥)を実施した。

また、一部圃場で炭疽病の発生もみられたが、予防治療剤の早期散布により防除が完了した。

黒星病については、8月が高温で推移したことから発生していない。

アブラムシの発生は平年より多くなっているが、県地域振興局及びJAの防除指導により、個体数は抑えられているものの、一部圃場では繁殖速度に追いつけていない状況もみられた。

規格・品質

8月に入り、樹勢が回復して収穫量が安定したことで、8月上旬から20日頃までは日量20~25トンと出荷最盛期のレベルにはならないまでも増量傾向となった。

また、8月の夜温は20℃を超える日が多く、平年より5℃高い日が14日間あったことから、朝どり収穫量が平年より多い状況となった。

平年のような出荷最盛期にならなかったものの、競合産地の天候不順等による市場入荷量不足等から、市場からの引き合いが強く、価格が堅調に推移したことから、生産者の収穫意欲が高まり、出荷量を維持することができた。

8月後半は、前半の成り疲れから収穫量が減少したが、月間では700トンの出荷実績となった。

品質は栽培管理の徹底とともに、厳しい選果選別の励行を図ってきたことから良好。

規格は、7月までは樹勢の弱さから細目でSが多く、5kgダンボール中心であった。

8月上旬からは樹勢が回復し、果形も良くなりAM中心となったことで、10kgダンボール比率が6割を超えた。

なお、夜温の高い日が多かったことから、通常よりも果実の伸びが早く安定した出荷に結び付いた。

しかし、果実の伸びの速さから朝どりの収穫作業でも追い付かない圃場も一部で見受けられた(AMよりも肥大化してしまい、商品価値が低下してしまう)。

今後の生育・出荷の見込み

これまでの生育不良と樹勢低下の影響は現在も引きずっているが、最高及び最低気温が平年並みに戻り樹体が安定すれば、9月いっぱいの収穫が見込める。

8月下旬の高温、9月の台風9号及び10号によるフェーン現象由来の高温で樹体へのストレスが大きくなっていることが懸念されることから、作型末期まで出荷できるよう、葉面散布等による樹勢回復を図っている。

太平洋の海水温が著しく高い傾向が続いていることにより、大型台風の発生リスクが高いため、台風対策も徹底して最後まで秀品出荷を行っていきたい。

写真の補足説明

《1枚目》

  • 5月23、24日定植、6月下旬出荷開始の圃場
  • 品種は豊美1号
  • 出荷終了は10月中旬見込み
  • 夜温が高いため、果実の伸びが速く、朝どり収穫量が多くなっている

《2枚目》

  • 樹勢が回復したことで、側枝の伸びと花芽の発生が充実し、連続着果している

《3枚目》

  • JA管内の3割の圃場でべと病が発生しており、予防治療剤による抑制を図っている

《4枚目》

  • 栽培管理を徹底し、高温や台風等自然災害に影響されない出荷を心掛けている
  • 樹勢、葉色及び果形ともに良好で、最後まで秀品出荷が期待できる

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    秋田県(夏秋きゅうり)
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    第3回目(調査日:7月31日)

    調査時点の生育ステージ 収穫期 調査産地 JAかづの
    作付面積[前年比] 前年並み 作況[平年比] やや不良
    生育進度[平年比] 遅い 出荷進度[平年比] 遅い
    天候状況

    6月中旬以降、寒暖差が大きく、平年よりも降水量が多くなった。

    7月に入ると、2~3日おきに気温が上下するなど寒暖差の大きな状況となった中、中旬は大雨となり、梅雨寒の日が多くみられた。

    降水量は平年よりやや多く、寡日照となった。

    生育状況

    6月下旬以降、寡日照で推移したことから、生育が緩慢になっている。

    側枝の出が悪く、花芽も少ない状況で、雨天による過湿のために根腐れを起こしている圃場も見受けられる。

    7月中旬以降は夜温が低く、果実の肥大が緩慢になり、樹の生育も鈍い状況が続いた。

    7月末には気温が上昇してきたものの、根の弱りからか樹勢が弱まっているものが見受けられる。

    樹勢が弱いため、果実自体が細め尻太が多く、さながら生育後半期のような状況となっている。

    病害虫発生状況

    7月11~12日の大雨による過湿から、根腐れ病の発生が顕著となった(圃場の1割近くが罹病か)。

    過湿のために炭そ病、褐斑病も一部見受けられるとともに、つる枯れ病も散見される。露地ネット作型圃場のため、曇天日を狙って予防治療剤散布等を行っても、その後、雨で流される状況が続いた。

    曇雨天が継続しているためにダニの発生は少ないが、気温の上昇とともに、アブラムシ、鱗翅目害虫の発生は平年並みになっている。樹勢が弱いことから、食害による影響が大きくなるので、予防的防除を徹底しているところ。

    現在、県及びJAでは、樹勢回復のため、摘花摘果による樹への負担軽減、葉面散布による追肥指導を徹底しているところ。

    規格・品質

    6月は計画をやや下回る出荷量、7月に入り、気温が上昇したことで出荷量も伸びてきたが、7月11~12日の大雨と曇天のため、樹勢が弱まり出荷量が伸び悩んでいる。

    平年であれば7月下旬に第1回目の出荷最盛期が来るところだが、本年は、日量12~13トン程度と少なめで推移。

    根が弱く樹勢が弱まっていることから、細めの果実が多く、5kg中心の出荷(比率は7割)。

    今後の生育・出荷の見込み

    本年産は非常に厳しい状況だが、今後の天候回復と樹勢の健全化により、少しでも出荷量を回復させたい。

    本年は、全国的にきゅうりの出回り量が少なくなっていることから、産地一丸となって、高品質な秋田県産きゅうりを少しでも多く消費地にお届けしたい。

    写真の補足説明

    《1枚目》

    • 根張りが弱い樹体
    • 葉が小さく、全体的に勢いがない

    《2枚目》

    • 根痛みの状態の葉

    《3枚目》

    • 管理が徹底された圃場の果実
    • 果形は良好

    《4枚目》

    • 樹勢が保たれている圃場
    • 少しでも多くの秋田県産きゅうりをお届けしたい

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      第2回目(調査日:6月26日)

      調査時点の生育ステージ

      定植、生育期

      収穫開始期

      調査産地 JAかづの
      作付面積[前年比] 前年並み 作況[平年比] 平年並み
      生育進度[平年比] 平年並み 出荷進度[平年比] 平年並み
      天候状況

      5月下旬以降は、晴天の日が多く、気温は高めで推移し、降水量も少ない状況が続いた。

      気温が高めに推移した中、6月14日に入梅した。

      生育状況

      天候に恵まれたことから、生育は順調に推移したものの、一部で、樹の生育が順調すぎて根張りが追い付かないものが見受けられた。

      樹は、23~24葉展開(樹体長160~170cm)程度で、葉色、葉形、大きさとも理想の状況。

      病害虫発生状況

      入梅後、降水量が増えたことにより、14~15葉の位置に斑点細菌病が散見されたため、早期防除に努めている。

      害虫は、高温によりアブラムシ及びアオムシが確認されたため、早期防除により一掃した。

      規格・品質

      初出荷は6月22日で、初なりの状況のため、肩張り及び尻細果が主体となっているため、規格が揃わずに10kgダンボールでの出荷となっている。

      今後の生育・出荷の見込み

      空梅雨傾向の中、調査当日(6月26日)は降雨があり、水分は確保されたものの、低温となったため、7月以降の気温上昇に期待したい。

      写真の補足説明

      《1、2枚目》

      • 現在、本葉23~24枚展開
      • 樹体長は160~170cm程度

      《3枚目》

      • 畝ごとに黒マルチを展開
      • 通路上に敷き藁の代わりに雑草をある程度繁茂させ、泥はね防止効果を確保

      《4枚目》

      • 初なり果のため、肩張り、尻細傾向
      • 今後は、出荷ピークに向けて果形が落ち着き、秀品率が向上する

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        秋田県(夏秋きゅうり)
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        第1回目(調査日:5月28日)

        調査時点の生育ステージ 定植期 調査産地 JAかづの
        作付面積[前年比] 前年並み 作況[平年比] やや不良
        生育進度[平年比] 遅い 出荷進度[平年比] 遅い見込み
        天候状況

        5月に、入り気温は平年よりもやや高く推移したが、5月20日は最低気温が6℃、最高気温が8℃と極端な低温となった。

        降水量は平年並み、日照量は少ない状況となっている。

        生育状況

        播種日は4月24日及び25日、定植日は5月23日及び24日。

        播種及び育苗期は、低温低日照であったものの、健苗を確保することができ、播種後1か月で定植作業となった。

        病害虫発生状況

        特に無し。

        規格・品質

        施設ものの出荷が一部で行われているが、果形がやや太め。

        今後の生育・出荷の見込み

        定植後は気温も上がり、日照量も多いことから、生育は概ね順調に推移。

        今後も気温が22℃を超える日が続くことから、順調に生育する見込み。

        当該産地の生産者数は152人(前年産と変わらないが、4人離作し、4人が新規就農(20代1人、60代3人))。

        当該産地の1人当たり平均作付面積は約7aで、10aを超える者は少ない。

        品種構成は、10年以上採用されている豊美1号が全体の80%以上、次いでVシャイン、カネコ121がそれぞれ5%程度。

        写真の補足説明

        《1枚目》

        • 定点観察圃場(10a)

        《2枚目》

        • 定植後4~5日程度の苗(本葉5枚、草丈27cm)

        《3枚目》

        • 株間は90cm

        《4枚目》

        • 側面の白い布は、強風による茎折れ防止のためのネット

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