北海道(秋にんじん)
生産ステージ
播種期 4月下旬〜7月上旬
収穫期 7月中旬〜10月下旬
出荷最盛期 8月上旬〜10月下旬
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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第2回目(調査日:9月16日) New
調査時点の生育ステージ | 収穫期 | 調査産地 | 富良野市 |
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作付面積[前年比] | 前年並み | 作況[平年比] | やや不良 |
生育進度[平年比] | 平年並み | 出荷進度[平年比] | 平年並み |
天候状況
7月が天候に恵まれて降水量が8mmしかない高温干ばつ傾向となった後の8月は、一転して曇天日が多くなったことで日照時間が平年を下回り、中旬に台風9号から変わった低気圧の影響で大雨になった日があったものの、降水量は平年の半分以下と大幅に下回った。気温は、最高気温が上旬は33℃前後で晴天日は38℃を超える酷暑日となったが、中旬は一転して22℃前後に落ち着き、下旬は27℃前後で推移した。最低気温は、上旬が20℃前後、中下旬は15℃前後で推移し、10℃を下回る日もあった。
9月も引き続き干ばつ傾向が続いており、気温は、最高気温が上旬は25℃前後、中旬は20℃前後で推移し、最低気温が10℃前後で4℃まで低下する日もある。
生育状況
8月上旬までの高温と現在まで続いている干ばつ傾向から、小ぶり傾向となっているとともに、生育不良も起きている。特に、後半収穫のものは歩留まり率が著しく悪化している。
病害虫発生状況
特に無し。
規格・品質
8月までは出荷進捗、品質、規格とも良好であったが、9月に入ってからは高温干ばつの影響が著しかったにんじんの収穫となっているため、品質不良で歩留まり率が著しく悪化(4割以下)。
出荷遅れとなっている。
品質は選果選別の徹底により担保しているが、規格は2L:15%、L:30%、M:30%、S及びその他:25%と小ぶり傾向になっている。
高温干ばつの影響を強く受けた圃場については、二股、割れ、生育不良が著しく、廃耕しているところもみられる(産地全体の1割超)。
今後の生育・出荷の見込み
当初の収穫終了は平年より長い10月20日頃を想定していたが、今後も廃耕する圃場が予想されることから、平年並みの10月10日頃に前倒しになる見込み。
写真の補足説明
《1~4枚目》
- 6月4、5日播種の南富良野町の圃場
- 品種は晩抽天翔
- 圃場の土壌水分が大幅に低下している
- 7月から8月上旬の猛暑、現在まで続く干ばつのため、在圃品質が著しく低下しており(二股、割れ、生育不良)、廃耕予定
《5~12枚目》
- 選果場の様子
- 収穫前の抜き取り検査を実施し、品質、規格的に問題のない圃場のものが搬入される(品質的に問題のあるものについては、収穫を行わずに廃耕)
- 搬入されたにんじんは、徹底した選果選別を行っていることから、小ぶりながら品質は良好
- より精度の高い選別のため、選別カメラを導入しつつ、経験豊富な人の目でしっかりと選別
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第1回目(調査日:7月28日)
調査時点の生育ステージ |
収穫期 収穫期 |
調査産地 | 富良野市 |
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作付面積[前年比] | 前年並み | 作況[平年比] | 平年並み |
生育進度[平年比] | 平年並み | 出荷進度[平年比] | 平年並み |
天候状況
6月は、上下旬にまとまった降雨の日があり、特に上旬の4日は大雨となったことで降水量は平年を上回ったものの、月を通して天候に恵まれた日が多かったことから、日照時間は平年を大幅に上回った。気温は、最高気温が25℃前後で推移したが、20℃を下回る日や32℃を超える真夏日があるなど気温差が大きく、最低気温が上旬の1日は2℃まで低下したものの、12℃前後で推移した。
7月は、ほとんど降雨日がなく、天候に恵まれて乾燥傾向となっている。気温は、最高気温が上旬は25℃前後、中旬以降は32℃前後で35℃の酷暑日もあるなど、高温で推移している。最低気温は20℃前後で推移している。
生育状況
干ばつの影響で、根の肥料吸収が抑制されていることから生育は緩慢となっているものの、概ね平年並みの生育となっている。
気温高で推移してるものの、これまで適温での生育となってきたことから、平年より抽苔は少ない。
病害虫発生状況
特に無し。
規格・品質
品質良く、規格は2L:2、3%、L:10%、M:50%、その他(S及び規格外品)。
乾燥傾向で肥大が鈍いため、M中心で小ぶり。
今後の生育・出荷の見込み
現在は平年並みの出荷進度だが、今後も高温干ばつが続いた場合、生育及び出荷が平年よりも遅れることが危惧される。
写真の補足説明
《1~4枚目》
- 4月16日播種の圃場
- 品種は晩抽天翔
- 本圃は定期的にかん水して土壌水分を補ってきたことから、肥大が順調でL規格が中心
- 在圃品質も良好
《5~8枚目》
- 6月9日播種の圃場
- 品種は晩抽天翔
- 本圃はスプリンクラー設備があるため、定期的にかん水できることから生育は順調
- 当該地区では本圃のように定期的なかん水を実施している圃場が少ないため、地区全体としては土壌が乾燥しており、根の肥料分吸収が抑制されているために生育が緩慢になっている
- 適度な降雨がほしいところである
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